フラッシュ撮影のススメ
フラッシュ撮影、難しいですよね。僕も4か月前まではそうでした。
ポトレ撮影を始めて、さすがにライティングできないとポトレ撮影はちゃんとできないな~~と思っていろいろ試行錯誤を始めたのが去年の12月でした。
偉そうなことを言えるような作品撮りをしているわけでもないし、何かの賞にも応募もしていないのですが、この4か月いろいろやってきた結果、フラッシュ撮影の基本は2つ。
- フラッシュはレイヤーで考えろ
- 光源と広がりの関係を意識しよう
これだけです。
1.フラッシュはレイヤーで考えろ
これはよく言われることですが、なぜフラッシュを使うかというと基本はレイヤー間の明暗差を埋めるためなんですね。だから照度計がいるというプロの声があるわけです(照度計でレイヤー間の明るさの差を数値化する)。
この話をせずいきなり照度計とかの話に入るプロが多すぎですけどね。写真学校とかに行くとそんなの当たり前に教えてくれるんでしょうか……なのでググってフラッシュ撮影しようと思うとすごくハードルが高く感じます。
例えばで言えば以下のパターンでフラッシュを使うのもこの考え方を踏まえれば簡単です。
逆光撮影
なんとなく顔が暗くなるからフラッシュで起こしましょう、っていうのはそれはそれで正しいのですが、要するに逆光だと被写体の後ろから光が来るので背景の光と顔の光の明暗差が大きくなりすぎてしまうからフラッシュを当てて顔を明るくするわけです。
夜景撮影
全体的に光量が少ないからフラッシュを当てる、というのは正しいのですが単純にそれをやるとどうなるかというといわゆる写ルンですで夜景を撮った感じ、アレですね。これも明暗差を埋めるという考え方をすればそんなに難しい話ではありません。夜景に併せてISOや絞りを調節しても顔に当たる光が少なすぎて暗いので背景に合わせるためにフラッシュを当てます。
2.光源と広がりの関係を意識しよう
こちらは応用編という感じですが、ポトレ撮影においてのフラッシュは光源と広がりの二つで印象が決まってしまうといっても過言ではありません。
光源って何だっていうと屋外撮影で言えば太陽ですが、太陽のイメージを持たせるなら高い位置から当てるのが正解だし、映画のワンシーンのような絵作りならそのイメージにある映像はどこから光が入っているのか、を思い出して光を当てるのが正解だし、ステージをイメージするなら逆光がカメラにがっつり入るのがステージっぽいし、みたいな話です。
光の広がりというのは、点からの光が四方八方に放出されて自分に飛んでくるイメージを考えたら、点光源では一方向からの光により影が大きく投影される感じになるので、どうしても影が大きくなってしまいます。
一方、面光源であれば自分と同じ大きさくらいに投影されるので影は小さくなります。下図にイメージをまとめてみました。
この特性を考えて複数の点光源を並べたらどうなるでしょう?
右上の絵のようにお互いの光源がお互いの影を少しずつ消し込むことで影が柔らかくなります。これが面光源とかソフトボックス、アンブレラの役割なんですね。
右下の絵はハニカムグリッドをつけたイメージになります。こうすると隣の光源からくる光が減るため影は小さいものの濃くなります。意図的に顔に陰影をつけたりするのにハニカムグリッドをつける理由がわかりましたでしょうか?(例えば男装など、キリっと仕上げるときはハニカムグリッドを使います)
これらを踏まえて逆算したときに最初に買うフラッシュグッズを考えていきましょう。
ソフトボックス
まず最初は安いソフトボックスを買ってみるのがよいと思います。グリッドとボーエンズマウント(ソフトボックスとストロボを連結する金具)付きで7,000円です。GodoxのボーエンズマウントはS1とS2の2種類あるのですが、S2のほうが新しく、大きなストロボも取り付けられるため、S2のほうをお勧めします。
アンブレラ
写真館とかグラビア撮影で見かけるやつですね。傘。折り畳みができて持ち運びに便利で大きく広がるのでプロの方はアンブレラを使うことのほうが多い気がします。
傘だけでも光はだいぶ広がるのですが、さらに拡散させるためにアンブレラにディフューザーをつける場合もあります。
アンブレラとストロボをつなぐ場合はボーエンズマウントのようなごついものは不要で、簡易なものがあります。おすすめはManfrottoのものです。
尤もこれはAD100Pro等を購入した場合、付属のアンブレラホルダーがすごくよくできているのでそちらが使えればそちらが良いです。
ストロボ
そして肝心のストロボですが、おすすめはTT600(無印)です。
どうせオフシューするときにTTL発光(光量自動調整)とか使わないんで……メーカー専用品はTTL発光に対応してることが売りなのですが、そもそもTT600はTTL発光非対応なので、メーカー専用品である必要性がないのです。
TT600の明るさはガイドナンバー60というやつなのですが、この手のクリップオンではかなり明るいほうです。経験上、100センチくらいまでの傘なら何とかなります。
ストロボコマンダー
ストロボを制御するコマンダーはカメラメーカーごとの専用品でなければいけません。
ソニーなら『S』と付いてるものを買ってください。
こちらもX-Pro、X2T、X1Tと3種類あるのですが、おすすめはX2Tです。
X2Tがおすすめなのは、値の設定変更がダイヤルで可能なのと、各ストロボのグループ(A~E)がボタンで選べるところ、ですね。
ライトスタンド
ストロボとアクセサリをとりあえず1セット買ったら、スタンドも買っておきましょう。
アマゾンでいくらでも出てくる安い奴が欲しくなりますが、ライトスタンドは本当に安物買いの銭失いになりますので、初手はそこそこいいものを買うのをお勧めします。
ネットで検索するとManfrottoのやつとか出てきますが、そこまで高級なのはいりません。個人的な一押しはトキスターのモビスタンドです。
1kg強と軽めなのと、それでいて3センチのパイプでがっちりしていますので、最初の一本にお勧めできます。何よりたたむと50センチ程度になるところですね。これくらいの長さならカバンに巻き付けて運ぶのも容易です。
実はこのスタンド、銀一からも全く同じ形状で出ていまして、好きなほうで買うのがよろしいかと。
ライトスタンドに上記のボーエンズマウントをつなぐ場合、スピゴットという継ぎ手が必要なのですがこちらもトキスターのものがおすすめです。
これでとりあえずストロボ撮影は始められます!
レッツストロボ!
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