センサーサイズと画素ピッチの話

2021年9月頭に噂のGFX50SIIが発表されましたね。

ラージサイズフォーマットならではのセンサーサイズ!

フルサイズよりもたくさん光を取り込める!

っていうあたりが人気のGFXなんですが、果たしてどれくらい優れているのか、定量的に分析したいと思います。


GFX50SIIの製品ページに行くとこんな絵と説明が書いてあるんですよ。

(引用元)


APS-Cから見ると4倍くらい面積が大きいですね。

フルサイズから見ても1.7倍と書かれています。

これはすごい、きっとたくさん光を取り込めるんだろう、と思うんですが、具体的にどれくらい優れているのか気になってしまうのが理系院卒キモおっさんならではです。

なぜならば、GFXのラージフォーマットは4:3のアスペクト比なんですよね。

なので計算してみました。

いきなり落ちみたいな感じなのですが、注目して欲しいのは一番右列のppm(pixel per millimeter)です。ここの数字が大きいほど1mmあたりに詰め込まれる画素数が多い、つまり、画素あたりの受光面積が小さい、ということになります。

わかっていたことですが、24MPのセンサーだとしてOLYMPUSなどのマイクロフォーサーズ(m4/3)カメラとフルサイズのppmを比較すると倍違いますよね。焦点距離が35mm換算で2倍になるから当たり前なんですが。

では本題のラージフォーマットを見てみましょう。今回のGFX50SIIのセンサーはラージフォーマットで52MP強になります。ここから求められるppmが190になります。

翻って、フルサイズ標準機(α7IIIやZ6等)でよく用いられる24MPを見てみると166、α7RIIIなどで使われる42MPの所を見てみると220となっています。

つまりラージフォーマットだけあって、フルサイズの24MPほどではないにせよ、フルサイズ30MP相当くらいの画素ピッチを52MPという高解像度で達成できていると言うことになります。

すごいですね~~

自分は暗いシーンではα7Cを持っていくようにしていて、極力ノイズを押さえようとしているのですが、それと同等程度の受光面積を持ったセンサーと言うことになります。


悩ましいのは、この高解像度がいわゆるスマホ等での閲覧では全く不要ということです。

Twitterでアップロードできる解像度は4k相当(長辺が4096Pixel以下)ですし、4kモニタすら家に無い人も多数いらっしゃると思います。

なお、4k解像度はピクセル数で言うと8MP相当です。iPhone12のディスプレイの解像度は2.9MP、iPadPro11が2.3MPです。

52MPという数字からすると6倍以上開きがありますよね。

つまり、この解像度で撮ってもみる主体がスマホ等では全く意味が無いのです。

じゃあどこで使うのか。

答えはプリントです。

プリントするともっと大きく引き延ばせますし、印刷の解像度としては最低200dpi、できれば300dpiが望ましいと言われています。

では300dpiまたは200dpiを達成するとして、各紙のサイズに必要なピクセル数を計算してみます。

こんな便利サイトがあったので使わせていただきました。

という訳で計算するとこうなります。

どうでしょうか。GFX50SIIの解像度があればとりあえずA0で200dpiとかでもいけそうな気がしてきます。

Newtypeとかに付いてくるアニメとかのポスターのサイズがA1と思っていただければ巨大さがわかると思いますが、あのサイズで展示しよう!とおもうとこれくらいの解像度が必要になってきます。

色々な手間とか諸々を考えると、プロ写真家でも無ければ実用上はA2程度まで印刷できればいい気はするので、そういう意味ではGFX50SIIはちょうどいい解像度、ですね。


いかがでしたでしょうか。

物事を定量的に見ることで自分に本当に必要な機材というのがわかってくると思います。

雰囲気や気分に惑わされず、自分に必要な、最適な機材選びをしましょう。


そんじゃーね

KENO, a part-time photographer

kenoと申します。 皆さんの心に残る写真が撮れるように技術を磨いています。 My name is keno a.k.a kenosaka. I've taken pictures so that I hone my skills and that will hope leave a lasting impression on everyone.

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