自宅の写真データ置き場

皆さんは自宅の写真データ置き場、どうしてますでしょうか。

PCのHDDに入れてます?それともSDカードまるごと保存しています?

いずれも大事な写真のデータをいつかなくしてしまうかもしれない、そんな危険な保管方法です。

そんなわけで、一応それなりにパソコンとかには詳しいマンなので自宅の写真置き場どうしているのか、まとめておこうかと思います。


PCのHDDやSDカードでの保管が危ないワケ

まず基本的なことなのですが、モノは動かしていたらいつか壊れます。電子機器だって摩耗しますし、回転するような部分があればなおさらです。

SDカードや最近のPCで採用されているSSDは壊れないのでは?たまにしか使わなければ。

それも大きな誤解です。

SDカードやSSDで使われているメモリは「フラッシュメモリ」と呼ばれる半導体が使われていますが、動作原理は難しいものではなく、データを半導体内に作った部屋に閉じ込めた電子で0/1で記録しています。

最近は容量の大きいフラッシュメモリがたくさん出てきていますよね。これは半導体をどんどん小さく、部屋の数を増やしていることにより、同じ体積で保管できる電子の部屋の数がどんどん増えているから容量が増えているのです。

体積が減っているのに部屋の数が増えると言うことは、部屋の大きさがどんどん小さくなっていると言うことになります。部屋の大きさが小さくなると言うことが何を表しているかというと、記録するために閉じ込める電子の数がどんどん少なくなっている、ということです。

フラッシュメモリはその物理的な特性から、長時間使用しないとその電子がどんどん抜けてしまうことが知られています。これを電荷抜けといいます。

データとして読み取るためにはある程度以上の電子を部屋に閉じ込めていなければならず、電荷抜けが発生してしまうと、データが壊れてしまいます。

この部屋にため込む電子は、電源を入れることで補充されます。つまり、電源を入れず、長期間放置したSDカード等はデータが壊れずに保管できるかとても怪しいことが知られています。

従って、SDカードにデータを入れっぱなしで保管しておくのは、せっかくの大事なデータを危険にさらしていることになるわけです。


では、PCのHDDでいいのでは?と思いになるかもしれません。

HDDは回転する円盤に磁力でデータを記録しています。回転する円盤なので使っているウチに内部のモーター等がどんどん摩耗していきます。つまり、いつか壊れます。

壊れるとどうなるか。当然データは読み出せなくなります。HDDを修理してデータを復旧してくれる業者がいるから大丈夫だよ、そう思っていませんか?データの復旧にかかる料金を見たら愕然とすると思います。

参考:バッファローのデータ復旧サービス

ここにある軽度の論理故障というのは多分僕でも直せるレベルのやつですね。これでこの値段です。物理的に壊れたらかなりの出費になります。軽度で、です。

しかもデータが復旧するかどうかわからないのです。壊れ方によってはどうにもならないこともよくあります。


データの保管場所を家に作ろう!

そんなわけで、長年の経験から自分は以下の形でデータを保管しています。

自分は通信インフラのエンジニアをしていますのでよくわかっているのですが、HDDはホント突然壊れます。壊れないときは壊れないんですが、それでも長く使っていると変な音がしてきたり、寒い日は読み込みに時間がかかるようになったりトラブルが絶えません。それでも容量が大きく、データ量あたりの単価が安いのでデータの置き場所としてはHDDが一番リーズナブルだと思っています。

自分はこのHDDにNASというモノを使っています。NASというのはNetwork Attached Strageの略で、Networkに接続されたストレージというそのまんまのモノになります。

具体的にはPCを介さなくてもデータの読み込みができるストレージ、ですね。

これが何故便利かというと、以下の点で優れています。

  1. PCがなくてもネットワークにつながっていればデータの読み書きができる
  2. いろんな機能が充実している
  3. 電源を入れっぱなしにしておく設計であるため、信頼性や熱対策等に優れている

1ですが何故これが便利かというと、DLNAという仕組み等を使ってテレビで画像データを見たり、NASの専用アプリを使ってiPhoneやiPad等でデータを読み書きすることができるからです。

例えばスマホでいっぱいになった写真や動画のデータを自宅のHDDにアップロードする、そんな使い方ができるんですね。スマホをいちいちPCにつないで読み込まなくても、スマホ上のアプリから直接NASにデータを転送できます。

2については1に書いたような機能がありますし、他にもHDDを複数台冗長化して使用したり、無停電電源装置(後述)と連動して電源をON/OFFしたりする機能がついています。

3についてはそのままで、Network上で常に動いているストレージ、になるので、ファンがついているため、HDDや電子部品を冷やしながら動作しており、熱による故障確率を下げてくれます。

そんなわけで自分が使っているNAS製品はSynologyの家庭用のモノになります。

この製品はHDDを2台内蔵することができ、2台のHDDに同じデータを書き込んで使うことで、1台のHDDが故障したとしてももう1台からデータが復旧できます。

このNASに8TBのHDDを2台搭載して、8TBのデータ置き場として24時間稼働しています。

8TBはやり過ぎとして、3~4TBもあれば多くの人は事足りるかもしれません。

HDDが1台1万円強、NAS本体が2万円ですので、合わせて4万円強で豪華ストレージの完成です。

4TBもあれば、iPhone256GBのデータが丸々8台分保管できることになります。

ちなみに、SONY α7RIII(4,200万画素)で128GBのSDカードに記録できるRAWデータが3,000枚強ですので、よく使われる2,400万画素とかのカメラをお使いでこれだけの容量があればシャッター壊れるくらいの量のデータを保管できる計算です。

これでデータの保管場所としてはほぼ完成なのですが、困ったことに近年の東京では夏場の嵐でよく停電します。主に原因は落雷なのですが、自宅に直接雷が落ちずとも、送電線等に落雷することで瞬低と呼ばれる現象(短時間の電圧低下、停電)が発生します。

参考:瞬時電圧低下(瞬低)の発生メカニズム(北陸電力)

よく夏のゲリラ豪雨の日に帰宅したらなんか停電したような痕跡がある、そんな経験はありませんか?電車が落雷で止まってることもありますよね。そういうことです。

余談ですが、落雷による瞬低はその昔は冬の北陸における一発雷(ぶり起こし)で起こることが有名で、その他の地域ではそんなに発生することもなかったのですが、近年のひどいゲリラ豪雨で関東ではよく起こる事象になっております。

前述の通りNASは24時間電源を入れているモノなので、落雷による瞬低で突然の電源不安定や電源断になったことでHDDが故障する可能性があります。

それを防止するために我が家では無停電電源装置をNASに接続しています。もちろんPCやHDDレコーダーにも接続しています。

この製品は、電力会社からの電圧が不安定になったり、停電になったりしたら直ちに内蔵しているバッテリーからの電力供給に切り替えて停電を防いでくれます。

皆さんが利用しているゲームのサーバやなども当然このシステムは入れています。もっと巨大なバッテリーのお化けみたいな製品ですが……

このタイプは無停電電源装置に特化したものでちょっとプロ過ぎるので、一般的には電源タップに内蔵されたタイプでも良いかと思います。

これで夏の下痢豪でも安心ですね!


それでも心配だからクラウドにもデータを置こう

前回、GooglePhotoの記事を書いた際にデータをさらにAmazon Prime Photoにも置いていると書きました。

これでも災害時などはデータが壊れてしまう恐れがあるので、使い勝手はいまいちだけど地理的にも安全なAmazonにさらにデータをバックアップしています。

PCにアプリをインストールすることで自動的にAmazonにデータをアップロードしてくれる機能があります。NASのデータを指定して、自動的にAmazonにアップロードするようにセットしています。

これで地震が来ても大丈夫!


いかがでしたか?

みんなもレッツデータバックアップ!

そんじゃーね

KENO, a part-time photographer

kenoと申します。 皆さんの心に残る写真が撮れるように技術を磨いています。 My name is keno a.k.a kenosaka. I've taken pictures so that I hone my skills and that will hope leave a lasting impression on everyone.

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